白金酒造には、「木樽蒸留器」があります。
スギ材(クレ板)を組み合わせて作った手作りの蒸留器です。この蒸留器で造られる焼酎は、やわらかく、濃い味わいの焼酎になります。また、蒸留時に木の香りがほのかにつき個性的な酒質になります。
木樽蒸留器は生きた蒸留器です。焼酎生産で蒸気を入れると暖められ膨張し、生産が終わると乾燥して隙間ができます。この繰り返しで次第に強度がなくなり、また防腐剤も使えないのでメンテナンスも非常に気を使います。どれだけ大事に使っても5~6年しか耐えられません。
木樽蒸留器の樽を作るのは、日本でただ一人、鹿児島県曽於市大隅町の津留安郎さんしかいません。
蒸留を開始した直後、モロミが温まるまでの間に、木樽蒸留器は太鼓をたたくような音を出します。太鼓の音色が止んだ頃、焼酎が垂れ始めます。
真ん中の樽が蒸留器。左側の整蒸機から蒸気を吹き込み、気化したアルコール分は右側の蛇管で冷やされ、液体(焼酎)となって甕の中に溜まります。
蒸留の際、初め焼酎が露のように垂れ、次第に泉のように湧き出てくることから、伝統的な銘柄には『○○の露』『○○泉』などが数多く見られます。
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